- 病院のおしらせ
先月7月27日(月)平成27年度前期院内感染防止研修会を開催いたしました。
当院では、会場(場所)・時間・対象者(人)内容等の諸問題を解決するために、昨年から2部制を導入しています。今回も大正富山医薬品(株)と協賛し研修会を行いました。
今回のテーマは「実務に役立つ感染対策」を大正富山医薬品所属の伊藤先生に一般講演として頂き、特別講演では「楽しく学べる!感染対策の重要ポイント」と し、感染症専門家で、CDCガイドライン翻訳家としてもご高名な浜松医療センター副院長兼感染症内科長である矢野邦夫先生をお招きし、講演をして頂きました。
一般公演は、主に事務系コメディカルを中心に、特別講演は、医師、看護師、薬剤師、検査技師等の専門職種に分けて行いました。また近隣の医療機関からの参加も募り、更なる地域連携を深める機会にも役立てています。当日4名の開業医の先生の参加をはじめ、獨協医科大学病院、とちぎメディカルセンター下都賀総合病院、とちぎがんセンター、光南病院、特養介護施設など様々な施設からの参加者があり院外者14名および院内参加者205名総数219名が参加した大盛況の研修会でした。
≪矢野 邦夫先生≫
一般講演では、「実務に役立つ感染対策」として、伊藤先生から感染対策の基本である標準予防策の中で最も重要な手指衛生を中心とした講義があり、 手指衛生の必要な場面5つの場面と石鹸と流水または速乾性性アルコール手指消毒の使い分けと注意事項について説明がありました。受講者からは「わかりやす く、手指衛生は、医療関連感染対策の基本であることを学びました。」と言う言葉が聞かれました。
特別講演では、矢野先生より、日常の様々な場面においてCDCのガイドラインが脳裏をよぎり、感染対策に役立てている話などから始まり、多職種が高頻度接触する環境表面は感染源になりうるので、ここを重点的に掃除をすることや、また手指衛生に必要な石鹸の詰め替えの危険性や、固形石鹸や湿潤環境のリスクについて、矢野先生のwitに富んだジョークを交えた講義内容で終始笑いが絶えませんでした。また医療従事者が職業感染対策として積極的にワクチン接種を行い、医療従事者自身が媒介者にならないことや、長期就業規制による病院機能の損失を最小限にとどめることが重要であることを学びました。受講者からは、「テーマ通り、楽しく学べる感染対策研修会だった。」と好評でした。
最後に感染対策研修会は、感染防止加算上義務づけられた研修会となっていますが、形骸的な研修会ではなく、職員や地域医療機関のニーズに応じることが必要であると常々感じています。エボラウイルス病 MERSなど感染 症は人類とともに共存しています。これからも、様々な感染症に対し適切な対策を講じていかなければなりません。必要な知識・技術の提供や地域や行政と情報 共有を行い連携強化し、今後も、地域中核病院として皆さんにお役に立てる企画・運営していきたいと思います。
院内感染対策室
室長 渡辺明美